[本]ほりえもんが伝え続けるシンプルな教え『本音で生きる』

最近のほりえもんはふっきれているというか、とても魅力的に感じます。彼が変わったのではなくて、世の中や私自身が変わったということかもしれません。いくつか彼の本を読みましたが、まず彼のエッセンスがギュッと詰まった『本音で生きる』を紹介します。

「本音で生きる」とは何をし、何をしないことなのか?

「本音で生きるとは何をし、何をしないことなのか?」という問いを持ってこの本を読みました。この本は時短で読めるように各章の最後にキーワードがありますが、私なりに3つのメッセージに要約すると、下記になります。

  • プライドを捨てて、バカになり、ノリよく動け。→言い訳せず即行動。
  • 無駄をなくし、苦手なことはせず、時間を最大限有効に使え。→人生を最適化。
  • 情報のインプット、アウトプットを大量に行って自分の頭で思考しろ。→量から質へ。

もっとまとめて一言にすると、「やる」。「やる」とは徹底して能動であり、決して受け身にならないこと。「一秒も後悔しない強い生き方」という副題に嘘はありません。徹底した自己決定の方法論です。

 

印象に残ったキーワード

  • できない言い訳をせずやるんだよ。
  • トライアンドエラー。自分も泥臭くやってる。
  • 自信は経験すればついてくる。
  • バランスなんて取ってる場合じゃない。極端になるからできる。
  • 人生はゼロイチではない。グラデーションも認める。(現実主義)
  • プライドを持った小利口より、バカな行動派が成功する。考えてないで動け。
  • ノリのよさが大切。関係が広がる、世界が広がる。
  • やりたいことを全部やるために、人生をPDCAサイクルにかけろ。常に最適化。
  • コアバリュー(得意)はやりたいことをやることで見えてくる。
  • アイデアの善し悪しより実行力。アイデアは組み合わせ。
  • 情報は浴びるようにインプットする。人工知能の発展のように回路を作る。
  • 大量にインプットし、アウトプットし、考えることを繰り返す。しきい値を超える。
  • 量から質へ。その逆はない。
  • 新しい出会いの場へは必ず行くと決めている。
  • やりたいことはかたっぱしからやる。今やる。極限まで忙しくすることが最適化のコツ。
  • Give, Give, Give. 惜しみなく与える。
  • うまくいっているものをどんどん真似する。改善する。
  • 世の中には「やる奴」と「やらない奴」しかいない。

やるか、やらないか。とにかくやる。

序章のまとめを引くと、本音で生きるには、

  1. 言い訳しないこと
  2. バランスを取ろうとしないこと。
  3. 「自意識」と「プライド」を捨てること

とあります。言い訳せず、やる。バランスを取らず、とことんやる。人にどう思われようと、とにかくやる。ということを学んだ本でした。やるよ!

[本]『習得への情熱』努力の天才(変態)が教える最高のパフォーマンスを上げる方法

問い「どうすれば自分の力を最大限発揮することができるのか?」

状況や感情に支配されることなく、自分の力を最大限発揮することは可能でしょうか。ジョッシュ・ウェイツキン(Josh Waitzkin)著『習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法』は、チェスと推手(武術)のトップクラスの競技者である著者が「習得の技術」としてその方法論を、自己の半生を振り返りながら語ったものです。

答えを3項目にまとめました。

  • ルーティンによって最良の心理状態をつくり、(引き金を構築する)
  • 環境・感情のマイナス要因をプラス要因に変え、(サンダルを作る)
  • 自己を滅却し、今に在ることによって。(ソフトゾーンに入る)

『習得への情熱』のキーワード

  • ソフトゾーンに入る:ハリケーンの中でもしなやかに動き生き延びる草の葉の在り方。
  • サンダルを作る:環境をねじ伏せるのではなく、知性的な心の柔軟性によって、カオスの中でも道を見つけられるようにすること。(インドのことわざ「茨の道を歩くためには、その道をことごとく革で覆うか、サンダルを作るか、二つの方法がある。」より)
  • 引き金を構築する:ルーティンによって心の在り方を作ること。呼吸やストレッチ、音楽など。

サンダルを作る

このなかで特に印象に残ったのは、「サンダルを作る」という独特の方法論でした。ミスをしたり、卑劣な行為に遭遇したりすると、人は動揺して感情に支配されてしまいます。しかしその感情は、周波数を合わせることで集中力に転化することができるといいます。感情といううねりを利用し、その波に乗るのです。

 

もちろんそれは口で言うほど簡単なことではありません。著者はあえて反則行為に及ぶ苦手な選手と繰り返し練習するなど、彼にとっての強い感情である「怒り」に向き合うことを自らに課します。怒りにかられる状況を、心が乱れる限界を押し広げる機会と捉えるのです。これは、自分自身の不完全さ・ナーバスさを押さえつけるのではなく、それ自体を利用してより強い集中力へと導く方法といえます。これによりカオスの中で道を見つけることが可能になります。それどころか、状況が混乱したものになればなるほど余計に気が楽になり優位になる、といいます。マイナスの環境・感情にパフォーマンスを邪魔させないどころか、助ける力に変えてしまうのです。

 

「サンダルを作る」ことは、マイナスをプラスに変えることにとどまりません。逆境をアドバンテージとして利用する方法が身についたら、逆境なしでもその効果が得られるようにしっかり身に着けていきます。結局は自分の感情が茨の道を歩くサンダルの材料なのですから、外側に問題がなくても自分の微細な感情に向き合うことで集中力を高める助けとすることができるのでしょう。

負の投資、小さな円を描く

その他にも習得の技術として、次の方法論が書かれています。
  • 負の投資:ビギナーは不安定で無防備な時期に耐え、抵抗しないすべを学ぶ必要がある。エゴを捨てて、いくら投げ飛ばされても平気でいること。そうしてその技術の原理を体で学ぶことが、その後の成長に大きなプラスとなる。(「アグレッシブな力は虚に触れると勝手に自己破壊する」というようなことを体感する。)
  • 小さな円を描く:ごく限られた動作を繰り返し練習して磨く、キングとポーンだけでチェスを学びはじめる、などの行為。トップになるために必要なことは、基本的技術に深く熟達すること。微細でデリケートなものを吸収して磨くことが、無意識でクリエイティブな潜在性を引き出すことに役立つ。

過程としての習得に、感情は助けとなる。そして今に在ること。

著者は、とにかく自己の内面を含めたこの世界のすべての現象を、学びと成長の機会としていきます。試合に勝つという目的はもちろん揺るがないものとしてあるものの、そこに至る過程そのものも同時に目的であるのです。

 

勝利は一瞬ですが、習得・成長は決して点としては存在せず、常に過程的な流れとして存在します。自分の微細な感情にしっかりと気づいていることが、その学びの助けになるのだということを学びました。「今に在ることの力」について、ここまで実践的、具体的に書かれている本は珍しい。まったく、すごい本でした!

 

ジョッシュ・ウェイツキン(Josh Waitzkin)著
習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法