論文生産術、またはたくさん書く方法

「できる研究者の論文生産術」

現在、私は都内の大学の修士課程二年目に在籍しているため、修士論文を書いています。あまりはかどっていなくてときどき心がざわざわするので、これはいかんなとカンフル剤を買うことにしました。

 

 

原題はHow to write a lot,  たくさん書く方法、です。

この本のメッセージはとてもシンプル。スケジュールを立て、目標を設定し、書く。これだけです。でも、それができないから困っているわけで……。このシンプルな教えを実行するための細かなTipsがとても参考になりました。

 

スケジュールを立てる。

スケジュールといっても、理想や妄想を描くのではありません。単に、毎日のスケジュールに書くための時間を設定してしまうこと。

筆者は平日の朝8時から10時までを執筆に当てているそうです。そしてものすごく重要だと思ったのがここ!

朝起きてコーヒーをいれ、机に向かう。気が散るのでメールはチェックしない。シャワーもなし、着替えもなし。ともかく朝起きたらそのまま机に向かって書き始める。

この着替えもなし、というのがいいですね。起きたらいきなり書き始めるわけです。脳が働いて小賢しい言い訳を始める前に、書き始める。書くことを概念化する前に書く! 飲む前に飲む! みたいなことです(違)。

 

目標を設定する。

設定するのは夢見がちな目標ではありません。机に向かって途方にくれてしまうのを防ぐため、今日や明日やることを書き出すだけです。昨日書いた部分を見直す、とか、第二節のアウトラインを考える、とか、最低2000字書く、などなど。

ポイントは、書くための時間で書くことにまつわるすべての行為を行ってよいということ。これで準備不足だから書けないという言い訳はできません。テキストを読むのも、ブレストも、アウトライン作成も、すべてこの時間に行ってOK。これは現実的で素晴らしいシステムです。一気に書くことに近づけます。

 

書く。

書きます。黙々と書きます。その日書いた分量を記録しておくと、自分が一日でどのくらいの量を書けるのかが把握できてよいそうです。たしかに精神の安定に役立つかもしれません。これっぽち!と不安にもなりますが……正しい現状認識は大事ですね。

おもしろかったのが、独創的なアイデアは、強制的にであっても毎日書いた方が頻繁に浮かんでくるという研究結果です。アイデアが浮かばないから書かない、というのは非常に馬鹿げた言い訳ということになります。経験を振り返ってみれば当然のことなのに、なぜかアイデアも書くことも遠ざけてしまいがちです。愛されてないから愛さない、みたいなことですね。こちらから愛すれば愛される頻度も高まるのに!!的な。愛もアイデアも遠ざけるのはやめましょう。

 

習慣づけられた行為の力

ルーティン化すると意志に頼らない状態で行為に取り組むことができます。人間は意志の力を過大評価する生き物ですが、意志力は妄想と考えたほうがよさそうです。非意志的な習慣とそれによる行為の積み重ねを振り返った時初めて、「そこに意志があった……」ということになるのだと思います。

書くことについて考えている間は、書くことはできません。対象を思考するのをやめて、思考対象そのものになるとき、行為が起こっています。思考は私をどこへも連れて行ってくれず論文を仕上げてくれないので、朝起きたら書く生活を続けていきます。「シャワーもなし、着替えもなし」で。

 

なぜか書けるようになる不思議な力のある本。

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