概念を失くしても残る愛 | 映画「アリスのままで」

最近何本か映画を見た。最初に見たのはテレビをつけたら始まったばかりだった「アリスのままで」で、若年性のアルツハイマーになる言語学者の話だ。

まずジュリアン・ムーアの芝居がうまくてハハハと笑ってしまった。それとクリスティン・スチュワートが過剰にギラギラしていた。

若年性アルツハイマーの症状や介護のひどいところはそんなに描かれていないんだと思う。映画としてきれいに見せている。だからまあきれいに描きすぎというのはあるけど、ああ、そっか、という感じ。言語学者が言葉を失っていく。概念を失う。でも、概念を失っても残るものがある。たとえば「この人は自分の娘だ」という認識がなくても、素晴らしい芝居だと感動し、それを伝えることができる。それで周囲はショックを受けたりするけど、本当はみんな、それが欲しいんでしょう。概念を全部失くしても残る愛が。それをジュリアン・ムーアがキラキラとまばゆいばかりに披露しています。

こないだ朝丘雪路の娘さんがテレビで、いつも忙しい母だったけど最後に時間を過ごすことができてよかったと結構晴れ晴れした顔で語っているのを見た。朝丘雪路は最後の五年間アルツハイマー型認知症を患っていたという。そのときは、そんなもんかねと思ったけれど、この映画を見て、ああ、よかったんだなと思った。